DbDのサバイバーの設定の抜粋。
学術書を達成すると、一部にキャラのショートストーリーが読めるのがあるので追加。
五十音順です。
未入手キャラは後日追記。
Index
- 浅川陽一
- アシュレイ・J・ウィリアムズ
- アダム・フランシス
- アラン・ウェイク
- エストゥリー・ヤザール
- エレン・リプリー
- エイダ・ウォン
- エース・ヴィスコンティ
- エロディ・ラコト
- ガブリエル・ソーマ
- 木村結衣
- クエンティン・スミス
- クローデット・モレル
- ケイト・デンソン
- ザリーナ・カッシル
- ジェイク・パーク
- ジェフ・ヨハンセン
- シェリル・メイソン
- ジェーン・ロメロ
- ジョナ・バスケス
- ジル・バレンタイン
- スティーブ・ハリントン
- セーブル・ウォード
- タップ刑事
- タリータ・リーラ
- デビッド・キング
- トレバー・ベルモンド
- ドワイト・フェアフィールド
- ナンシー・ウィラー
- ニコラス・ケイジ
- ネア・カールソン
- ハディ・カウル
- ビットリオ・トスカーノ
- ビル・オーバーベック
- フェリックス・リクター
- フェン・ミン
- ミカエラ・リード
- メグ・トーマス
- ララ・クロフト
- リー・ユンジン
- レオン・S・ケネディ
- レナート・リーラ
- レベッカ・チェンバース
- ローリー・ストロード
浅川陽一
映画「リング」に登場。
子供の頃、呪いで両親を亡くした陽一は、超自然的現象に興味を抱いた。
大学の海洋生物学部を首席で卒業し、最年少の教授となった。
伊豆大島で研究中の学生2人が行方不明になり、陽一の意識化の記憶が湧き上がった。
深みから貞子が這い上がり、呪いは終わってないと陽一に告げた。
陽一は叫びながら目を閉じた。
目を開けると貞子はいなかった。
陽一の本能が答えは海にあると言っていた。
陽一は超心理学、未確認動物学、神学、民族史を研究し始めたが、大学のお荷物、奇人扱いされるようになった。
わずか数ヶ月後には大学教員を解雇された。
陽一を受け入れる学校は皆無だった。
報道機関に問い合わせると、母が記者として勤めていた会社から研究資金提供の申し出があった。
それは同社の為に記事を書く事と、研究成果の初版出版権が条件だった。
この時期、陽一の父の霊魂が帰って来て、彼の背中を静かに押した。
数ヶ月後、スコットランドの灯台近くで4人のビデオブロガーが失踪という学生行方不明事件と酷似した事件が起きた。
陽一はグラスゴー行きの航空機に乗った。
現地大学の教授は70年前に同じ結論に達していた。
「海の中に霊的存在がいる」
陽一は7人の猟師達と呼ばれる小島群に向かった。
島に近づくと灯台の灯りが消え、海が渦巻き始めた。
巨大な波がボートを岩に叩きつけて大破させた。
陽一は泳いで陸に辿り着いた。
灯台のバルコニーに手招きする父の姿が見えた。
黒い霧の中で灯台の階段を登った。
一段登る毎に水位が上がり、海の泡立つ口が陽一を呑み込んだ。
アシュレイ・J・ウィリアムズ
映画「死霊のはらわた」の主人公。
友人と一緒に山小屋で過ごしていたアシュレイは、ネクロノミコン・エクス・モーティス(死者の書)を発見し、闇の者を呼び覚ましてしまった。
アッシュは悪霊に取り憑かれた友人を殺し、呪われた右手を切り落とす羽目になった。
それから30年、アッシュは量販店のバリューストップで働き、場末のバーで女性を口説く日々を送っていた。
ある夜、ハイになったアッシュは女性の気を引こうとして死者の書の一節を読み上げてしまう。
悪霊が周囲の人間を巻き込んで大混乱を起こした。
祈祷師に育てられた同僚のパブロと、デッダイトのせいで孤児となったケリーと共に、アッシュは悪霊と戦った。
その戦いの中で長年音信不通だった娘ブランディと再会したアッシュは、人類の救世主という使命を受け入れる。
アッシュは悪魔との戦いで息を引き取り、シュメール騎士団の手で未来へ送られた。
アッシュが目覚めると官能的な女性の歌声が聞こえた。
声がする方へ歩くと、そこはロッカー室だった。
更衣室に入ると高校時代の彼女、リンダ・エメリーがいた。
リンダはアッシュの手に刃物を突き刺した。
リンダの髪は張りを失い、一瞬で数十年分も老いた。
調子の悪い膝を切りつけられたアッシュは、床に崩れ落ちた。
リンダがアッシュに飛びかかると、アッシュはリンダのナイフを叩き落とした。
リンダはアッシュの首に手を巻きつけて締め上げた。
アッシュはソープディスペンサーの液体を出して、指でリンダの目を突いた。
老いた女はたじろぎ、その隙にアッシュは顔に肘打ちを食らわせて突き飛ばした。
アッシュはナイフを拾ってリンダの喉元に突きつけ、悪魔と取引をした。
「お前を殺さないでやるから、俺をお前の仲間の所に戻せ」
リンダが呪文を唱えると、アッシュも繰り返すよう言ったが、アッシュは上手く唱えられなかった。
悪魔はアッシュの発音が悪いせいだと責めた。
シュメール語のやり取りが続くと、後ろのシャワーから汚水が噴き出した。
トイレットペーパーが悪魔を呑み込み、アッシュはドアにしがみついたものの、その指はドアから滑った。
アッシュが気づくと口に入った芝生を吐き出した。
前方の点滅する光に向かって歩き出すと、木々を揺らす叫び声が聞こえてきた。
アダム・フランシス
ジャマイカのキングストンのローリングトンタウンで産まれた。
アダムが2歳の時、父は交通事故で死んだ。
厳格かつ公正な叔父に引き取られ、その思想を引き継いで育った。
キングストンカレッジで父の著作を見つけたアダムは、文学に興味を持ち始めた。
しかしスポーツ校だったキングストンカレッジでは虐めの恰好の的になった。
アダムは自己防衛術を身に着けた。
大学卒業後、アダムは海外の教職ポストの出願費用の為に様々な授業を担当した。
1年後、アダムは日本の南部地方鹿児島に赴いた。
しかしアダムの日本語能力は初級レベルで、日常の生活にも支障を来していた。
数ヶ月後、アダムの生活リズムは確立され、全てが順調だった。
ある日、乗っていた電車が横転した。
車輌のドアが外れ、乗客にぶつかりそうだったので、アダムはその少女を庇った。
アダムが目を開けると、暗闇が広がっていた。
列車の脱線事故を聞いた教員達はアダムが行不明と聞いて最悪の事態を想像した。
しかし事故現場からアダムの遺体は見つからなかった。
アダムの叔父はアダムがどこかで生きていると信じている。
アラン・ウェイク
ゲーム「AlanWake」の主人公。
13年前、ウェイクはブライトフォールズの町で怪異に巻き込まれた。
行方不明となった妻を怪異から取り戻すのと引き替えに、ウェイクは湖のロッジに囚われた。
ロッジのタイプライターは書いた事が現実化する力があった。
ウェイクはそこから抜け出すべく様々な物語を書いたが抜け出せなかった。
なぜならタイプライターは万能ではなく、物語に真実味が無いと現実化できないから。
ウェイクはふと、昔書いた「ナイトスプリングス」というドラマの脚本を思い出した。
それは悪夢の世界に閉じ込められた者達が最後は脱出に成功する物語……の筈だった。
しかしウェイクはその結末を思い出せなかった。
ウェイクは結末を思い出せるまで、何度も脚本を書きなおす事にした。
そして最後の原稿を書き終えると、黒い霧が現われた。
霧の中に光が見えた。
ウェイクは霧の中に入った。
エストゥリー・ヤザール
エストゥリーとベアマールは自由都市グレイホークにやって来た。
そこである事を知った2人は最後の冒険に向かう。
新たな魔法がグレイホークの隅々に広まり、悪の勢力が姿を消していた。
2人にとってそれは喜べない事だった。
なぜなら吟遊詩人の生きがいは敵に対する勝利を歌う事で、悪の無い世界は新たな歌が生まれない世界だったから。
エストゥリーは新たな魔法の源を突き止める冒険者を探した。
多くの者はこの地に悪を呼び戻そうとする考えに賛同しなかったが、彼女のカリスマで魅了し、十分な人数が手を貸す事になった。
ベアマールは噂を集めてケオランド王国の近くに魔法の源があると突き止めた。
古代の塔が蘇り、あっという間に大きく堅固な建物になっていた。
そこはアークリッチ・ヴェクナの居城だったが、もぬけの殻だった。
最上階で、エストゥリーは瓦礫の中から巻物を見つけた。
ベアマールが巻物の書かれた呪文を読み上げると、塔が震え始めた。
石の床から霧が立ち上がり、彼らを取り囲んだ。
エストゥリーはベアマールが呪文を読み上げるのを止めさせたが、彼らの姿はもうそこに無かった。
エレン・リプリー
映画「エイリアン」の主人公。
リプリーは宇宙船ノストロモ号最後の航行で二等航海士として搭乗していた。
乗員の1人に未知の生物が寄生した際、リプリーは検疫規定に従おうと訴えたが、彼女の主張は通らなかった。
船を制御するAI「マザー」には別の優先事項があった。
それはエイリアンを生きたまま地球へ持ち帰る事。
宇宙船の副長に寄生したエイリアン幼体は、彼の胸部を食い破って飛び出すと、船のどこかに消えた。
乗組員は1人ずつ成長したエイリアンに殺され、リプリーだけが残った。
リプリーは猫のジョーンズを連れ、ノストロモ号の自爆装置を起動させた。
彼女が乗る脱出艇からノストロモ号が爆発する様子が見えた。
リプリーは冷凍睡眠の準備を始めた。
その時、船内で影が動いた。
リプリーはこっそりとロッカーへ向かい、宇宙服を装着した。
エイリアンが襲いかかった瞬間、リプリーはエアロックを開けた。
エイリアンは宇宙空間へと放り出された。
リプリーはノストロモ号の最終報告を録音し、冷凍睡眠カプセルに入った。
すると薄暗い霧が彼女を這い回り始めた。
エイダ・ウォン
ゲーム「バイオハザード」に登場。
エイダは本名さえも謎に包まれていた。
誰に忠誠を誓い何が動機かも。
アンブレラ社に敵対する企業のスパイだったのか、ウェスカーに忠実だったのか、二重スパイだったのか、なぜ寄生体プラーガが追ってたのか。
エイダは明らかに訓練された暗殺者だった。
高度な武術と武器の扱いもプロそのものだった。
ロス・イルミナドス教団の調査中(バイオ4の話)、エイダは捕まって儀式の生け贄にされそうになった。
しかし最終的には逃げ出し、二度と姿を現わさなかった。
エース・ヴィスコンティ
エースは、アルゼンチンの貧しい家で産まれた。
賭けや詐欺、女を誘惑してアメリカでの生活を勝ち取った。
金はエースの手の隙間からこぼれ落ちて行ったが、それ以上に勝てると信じていた。
借金取りがエースの元にやって来たが、エースはどこにも見当たらなかった。
彼を知る者は口を揃える。
エースは生き残る、どんなオッズにも負けずに。
エロディ・ラコト
エロディはパリの裕福な家庭に産まれた。
歴史の本、小さなスコップを持ち歩き、パリの歴史を探るような子どもだった。
14歳の時、両親はエロディをダイアー島へ連れて行ったが、そこはインペリアッティの私有地で、エロディは落胆した。
気取った社交の場で気まずい思いをするからだった。
しかしエロディは「のけ者」と出会った。
彼らはこっそり、島を探検した。
ある夜、エロディ達は廃墟の収容所を発見した。
フェリックスは入るのを嫌がったものの、エロディは聞かなかった。
中に入ると地下研究所にあった器具を戦利品として持ち帰ろうとした。
エロディは壁の角に円形の引っ掻き傷を見つけた。
その傷に爪を這わせると、不快な囁き声がしてエロディは意識が離脱した。
エロディは誘われるままに冷たい砂に触れ、円を描き、中央に線を引いた。
建物が崩壊し始め、父と母は娘に逃げろと叫びながら、奇妙な道具を使った。
エロディは何年もの間、この悪夢に苦しめられた。
祖母はティーライトを灯し、物語を聞かせた。
エロディは恐怖と敵を打ち負かす英雄を心に浮かべた。
物語は忘れてもマダガスカルの熱帯雨林と巨大な山々への想いは消えなかった。
14年後、エロディは両親の失踪の調査として人を掠う闇の力の言い伝えを調べた。
両親を奪った「あれ」の破壊や復活を試みる古代文明の遺物も収集した。
「あれ」は異なる言語で様々な名が付けられていた。
「深淵」「無限」「孔」。
「のけ者」達とは疎遠になっていたが、エロディは両親を諦める事はなかった。
エロディはハズラ・シャーに頼まれた急な仕事があり、パリ13区の図書館を後にした。
エロディがハズラに雇われたのは、盗品であるマオリの彫像を手に入れた後だった。
蜘蛛の爪を象った彫像はダイアー島で見た鈎爪に似ていた。
5年間、エロディはハズラの為にオカルト遺物を調達し、莫大な報酬と17世紀に結合双生児を産んだ女の魔女裁判記録を手に入れた。
呪文が刻印された1組の頭蓋骨の内、収集家が未所有だったのが魔女の頭蓋骨だった。
エロディは魔女裁判と同じ年の新聞記事を見つけた。
それはに殆どの遺体は地下墓地に移されたと書いてあった。
エロディは古い地下墓地で崩壊した煉瓦の壁を見つけた。
壁を抜けると懐中電灯に頭蓋骨の列が照らされた。
エロディは背後で物音が聞こえ、振り返ろうとすると頭をバットで殴られた。
エロディが気づくと黒いローブの男に担がれていた。
ブラックヴェールと呼ばれる殺人集団だった。
それは古き者の為に人間を生け贄にするオカルト集団だった。
エロディは壁にかけてあった頭蓋骨を男の頭に叩きつけた。
エロディはバランスを崩した男から逃れ、走り出した。
角を曲がると脇腹に痛みが走り、巨大な刃が刺さっていた。
倒れたエロディは、地面に円を描き、中央に線を引いた。
熱帯の雨が降り注ぎ、蔦の葉を濡らした。
マダガスカルだ。
蔦が蛇に変わってエロディを威嚇した。
土は灰色に変わり、エロディは流砂に呑まれるように崩れ落ちた。
ガブリエル・ソーマ
2098年、破滅的な核戦争で人類は滅亡の危機に陥り、残された者は団結した。
先見の明を持つ者がハクスリー・インダストリーズ社を設立した。
ハクスリー社は利益の全てをロケット科学、人工知能、遺伝子工学の研究に注ぎ込んだ。
ハクスリー社は居住可能な惑星を見つける銀河系探索を開始した。
人類が移り住んだ惑星では、操作されたDNAで人間を生み出す培養拠点が構築された。
ソーマは人類が移り住んだ最初の惑星、プロマキシマ・ケンタウリcのクローン拠点で産まれた。
彼はロボットやアンドロイドのメンテナンス班の一員だった。
メンテナンス班の他のメンバー同様に、自分は地球で両親の元に生まれたと信じていた。
しかし彼の子供時代の記憶は埋め付けられた物だった。
ソーマの宇宙船は惑星ドヴァルカに着陸した。
5機の遠隔制御ドローンと5体の自律型ロボットHux-A7が送り出された。
謎の消滅を遂げた古代文明の遺跡が見つかった。
その遺跡は太古の物のように見えたが、驚く程に進んだ技術を持っていたようだった。
植民地化拠点で建設工事が開始された。
上陸用船艇には乗組員10人の居住スペースもあった。
セキュリティ担当のマイケルは科学士官サラと一緒に輸送車を運転していた。
車は突然加速し、ブレーキも効かなくなった。
迫り来る崖を前にマイケルはサラに車から飛び出すよう叫んだ。
サラはドアを開けようとしたが開かなかった。
マイケルは銃弾でサラの窓を破り、サラは窓から飛び出した。
しかしマイケルは間に合わなかった。
車は30メートルの高さから落下し、燃料タンクが爆発した。
その日の午後、マイケルの追悼式が行われた。
その夜、ソーマはなかなか寝付けなかった。
ソーマは眠りに付いたと思ったら息苦しくなって目覚めた。
居住スペースの電源が切れ、酸素が低下していた。
彼はよろめきながら非常口から外に抜け出した。
他の6人はベッドで窒息死した。
酸素ボンベを持っていた医務官ドミトリと、彼に助けられたサラだけが生き残った。
その日の午後、ソーマはサラから救難信号を受信した。
信号は突然途絶え、サラを探す為に周辺を調査した。
彼が血の跡を辿って行くと、食料拠点近くに頭部を切断され、食い千切られたサラの死体があった。
ソーマは危険な捕食動物を見逃したに違いないと思った。
彼はメインサーバのログを調べた。
輸送車の操作を乗っ取り、生命維持システムを停止したのは、Hux-A7だった。
ソーマは施設内で血塗れになったHux-A7を見つけた。
その手は科学士官の髪を掴み、頭部がぶら下がっていた。
Huxは頭部からDANを抽出し、新しい体を作っていた。
ソーマは新たな命令を出したが、ロボットは無視した。
ソーマはその主記憶装置にスキャナを差し込んでソースコードを調べた。
すると彼が見た事も無い異質言語で上書きされていた。
ソーマがHuxの再キャリブレーションを行おうとすると、Huxは電撃を放って器具を破壊した。
Huxはソーマの首を掴んで、3メートル先まで投げ飛ばした。
騒ぎを聞いて駆け付けたドミトリは、Huxの機能を無効化するコードを呼びかけた。
Huxはドミトリの胸に穴を開け、心臓を抉り取った。
ソーマは燃料拠点に向かい、長い銅管を見つけて身を潜めた。
日が暮れるとHuxが現われた。
それは新たな体を作りあげていた。
一部は肉塊、一部はシリコン、一部は人間、一部は機械。
Huxは逃げようとするソーマを水素発生器の後ろに追い込んだ。
ソーマは持ってた銅管で液体水素燃料タンクを砕き、Huxの気を反らせて逃げ出した。
逃げる際に銅管で扉を叩きつけた。
火花が発生して燃料に燃え移った。
炎がタンクへ近づくと、爆発が起きてHuxを吹き飛ばした。
森に入ったソーマが振り返ると、炎と煙の中からHuxが現われた。
ソーマは忍び寄る黒い霧に駆け込んだ。
木村結衣
結衣は生まれ育った飛騨の町でスクーターレースに興じていた。
そんな事は男がやる事だと信じる父は娘からスクーターを遠ざけようとした。
しかし結衣の祖母が祖父の機械工マニュアルや車やバイクの覚え書きをこっそり手渡していた。
祖父の験担ぎのハチマキを腕に巻き、地元の少年達とレースをした。
結衣は彼らの裏をかき、大評判となった。
結衣は父にバイクレースの夢を打ち明けるも、父は家から出て行くよう告げた。
祖母から貯金を貰った結衣は名古屋へ向かった。
しかし下級の事務職やホステスのような仕事しか見つからなかった。
結衣は違法なストリートレースに参加し、見た事もない金額を稼ぎ出した。
程なくして結衣は女性だけのバイクチームを作った。
そのメンバーは結衣のテーマカラーのピンクの服を着ていた。
結衣はストーカーがいると気づいた。
アパートの部屋から幸運のハンカチが盗まれて警察に相談した。
警察はそのストーカーはきっといい奴だ、そいつと近い将来結婚するかもしれないぞと言い放った。
ある夜、結衣がアパートに戻るとストーカーが私物を物色しているのに気づいた。
結衣はストーカーに「出て行け」と叫んだ。
ストーカーはナイフを向けて突進してきた。
結衣がその攻撃を躱すと、壁にぶつかったストーカーはナイフを落とした。
双方の必死の攻防が繰り広げられた。
結衣はナイフを取り上げてストーカーの喉元に突きつけた。
ストーカーは警察が連行した。
結衣は腕と足に複数の骨折が見つかった。
チームの皆が金を出し合い、治療費を工面した。
リハビリは辛かったが、結衣は諦めなかった。
事件後の初めてのレースでチームの皆がピンクのハチマキをプレゼントしてくれた。
それには皆のサインとメッセージが書かれていた。
チーム「サクラ7」が有名になると、ピンクのハチマキはストーカーや虐待の被害を受けて助けが必要な女性に対する支援の象徴となった。
結衣は全日本ロードレース出場だけでなく、一流の大会にも参加して勝利を収めた最も若い女性となった。
スポンサーの数もチームの数も3倍となった。
その後、違法なストリートレース「TK3」(Tokyo Kick 3000)の先頭を走っていた彼女は、不気味な霧の中に入ってしまった。
混乱した彼女がそこが東京ではないと気づくまで、時間はかからなかった。
クエンティン・スミス
映画「エルム街の悪夢」リメイク版に登場する高校生主人公。
ナンシーの母が行方不明となり、クエンティンはフレディ・クルーガーが死を超越したと悟った。
フレディを倒す方法を見つけようと共有夢、明晰夢、夢世界に関する資料を読み漁った。
フレディがクエンティンの夢に現われても、初めは疲弊させる為に罵るだけだった。
クエンティンは知識を利用し、夢の世界から抜ける裂け目を発見した。
ある夜、クエンティンはバダム幼稚園にいると気付いた。
塗料スプレー缶を見つけると、廊下に罠を張った。
フレディが金属を爪で引っかくと、廊下は炎上した。
クエンティンは裂け目に急いだが、目前で閉じてしまった。
フレディがクエンティンの喉を引き裂くと、クエンティンはフレディの消滅を願った。
するとクエンティンは霧の蔦で隠され、消えた。
クエンティンが気付くと別のどこかにいた。
クローデット・モレル
幼少期より昆虫観察や植物採集が好きだった。
友達はいなかった。
父はありのままの自分が一番素敵だとクローデットを励ました。
父はダーウィンという人物を教えた。
ダーウィンも虫や植物を収集し、途方もない理論を思いついた。
学校の成績は悪かった。
母は虫や植物収集を止めさせたかった。
父はそれをクローデットの美点と擁護した。
しかし母には娘が留年するのは耐えられなかった。
母は娘に自分と同じような虐めを受けて欲しくなかった。
クローデットは母も自分と同じ変わった子だったと察した。
ケイヒル先生の指導で成績が上がった。
科学キットを与えられ、実験が好きになった。
有名大学の奨学金を貰い、モントリオールから離れた。
サイエンスガールというニックネームで掲示板の植物学の質問に答えるのが楽しみとなった。
ある日、長いバス移動の途中で降りた森の中で方向感覚を失った。
クローデッドのネットの友人が心配し始めたのは、それから1週間後だった。
ケイト・デンソン
幼いケイトが学校で習った歌を家族に聞かせると、歌で人を幸せにできる事を知り、人生で何をするのかを決めた。
ギターを持てるようになるとすぐに練習を始め、8歳で既に観客の前で演奏をするようになっていた。
母はペンシルベニアの各地、ナッシュビルを含む南部の至る所までケイトを連れて、その夢を叶える為にできる限りの事をした。
ケイトはフォークミュージックコンテストや、アマチュアのコンクールに尽く優勝した。
しかしケイトが勝つのは、負ける者がいる事を意味すると気づいた。
それはケイトが求める物ではなかった。
成長したケイトは軽トラックを買い、1人旅で様々なファンと会ったり、新しい友人を作った。
ケイトの旅はドライブとギターとバーボンという物だった。
フェスティバルからこじんまりとしたバーまで、ケイトの友情、家族、愛、故郷の歌を聞く為に人々が集まった。
ケイトはできるだけ家族の元に帰り、体験談を聞かせて地元の子供を楽しませた。
地元はケイトにとってインスピレーションの源泉だった。
いつもはそこで自然や地球そのものとの強い繋がりを感じた。
ケイトは金の為に演奏するのを退屈に感じていた。
森で自分の音楽に耳を傾けようとした。
ケイトがギターを演奏すると不吉なメロディしか浮かばなかった
地面に古代のシンボルが現われて、曲に合わせて明滅した。。
木々の大枝が伸びて融合し、一つの生命体へと変貌した。
木々の天蓋から蜘蛛の足のような物がケイトに伸びてきた。
ケイトは石で撃退しようとしたものの、その皮膚は硬く、石は弾き返された。
蜘蛛の足のような物は、ケイトを頭上の闇へ引き上げた。
真珠貝の張られたピックガードと、花の模様とKDというイニシャルが刻まれたアコースティックギターだけがそこに残った。
ザリーナ・カッシル
ブルックリンのレバノン人一家で育った。
文化の違いが嘲笑や虐めの的になるのを避ける為、カリーナという名を名乗り、髪を明るく染め、外国風の弁当を捨てていた。
ザリーナは自分のニュース記事を書くのが夢だった。
父のデジタルカメラを借り、ベイリッジのレバノンコミュニティのインタビューを行った。
その動画をインターネットに投稿すると、熱心な視聴者が徐々に現われた。
ザリーナはファストフードのオーナーによる従業員搾取の潜入取材映画を撮った。
ウェイトレスとして雇われ、3週間無給で働いてから給料の支払いを要求すると解雇された。
その動画はオーナーがザリーナを罵倒している内容だったものの、ニュース番組ではオーナーに同情する形で取り上げられた。
苦い経験の後、インディペンデント映画のプロデューサー兼製作者になろうと、学校のコンクール映画を撮った。
それは冤罪で処刑されたイタリア移民のサッコとヴァンゼッティを綴った詩から着想を得た。
この映画で最高賞を獲得し、ドキュメンタリー作家として第一歩を踏み出した。
数ヶ月後、街の監視カメラに父が車にはねられる映像が映った。
父の背後にいた男が父を突き飛ばしていた。
犯人のクラーク・スティーブンソンは捕まり、過失致死罪で収監された。
ザリーナはクラークのギャング「IR-28」や短い禁固刑、明らかな後悔の欠如といったクラークの実像を暴いた。
ネブラスカ行きの航空券を買い、ヘルシャー刑務所の所長に賄賂を渡し、クラークと面会した。
ザリーナはクラークを誘導し、計画的犯行だった事を自白させた。
映画が国際的な賞賛を集めると、何人かの囚人が映画化を期待して奇抜なエピソードの提供があった。
ザリーナは、その中の「狂乱アイルランド人虐殺事件」に興味を持った。
無法者が刑務所長と看守を虐殺したという事件だった。
1860年のヘルシャーの受刑者に、20年の懲役刑となったアイルランド系アメリカ人の記録を見つけた。
ヘルシャーの設計図を見ると、封鎖された棟は建設当時の基礎の一部だった。
その棟に行ければ隠されたストーリーを明らかにできる。
ザリーナは観光客に紛れてヘルシャー刑務所に向かい、厨房に向かう際に抜け出した。
アイルランド人の独房の古いレンガ壁には「ベイショアに死を」と書かれてあった。
緩んだレンガが落ち、隙間に手を差し込むと、ひび割れた金属に触れた。
それは古く錆びたレンチだった。
寒気が背骨を走り、足下を見ると、血を流して倒れている男が見えた。
それは四肢がよじれた父だった。
黒い霧が独房を満たすと、身動きもできずにザリーナは目を閉じた。
ジェイク・パーク
裕福な社長の息子として育った。
兄のイェール大学卒業でプレッシャーがかかった。
父は高等教育を拒否するジェイクを理解できなかった。
ジェイクは自主退学し、森の端で暮らすようになった。
父とは連絡を取らなかった。
母とは時々連絡を取っていた。
ジェイクは森の中で消えた。
捜索は悪天候で中断され、再開されないままだった。
ジェイクは森の中の遭難死と記録された。
ジェフ・ヨハンセン
アルバータ州オーモンドで生まれ育った。
大人しい一人っ子で人混みが苦手だった。
ハイスクール時代では心配性気質が恥ずかしがり屋だというレッテルを貼られたが、タフでストイックな人格で補って、いじめっ子も教師も怯えさせた。
ヘヴィメタルに関心があり、レコードを収集した。
そのカバー絵の象徴主義に触発され、自分でも美術作品を作った。
日常風景だった両親の喧嘩から逃れる為、ビデオ店で働き始めた。
客は少なく、絵を描く時間は十分にあった。
ある常連がジェフに、オーモンド山の荒れたロッジの仲間の為に芸術作品を作るよう依頼した。
ジェフは「リージョン」という大きな壁画を描いた。
50ドルとビール12本が最初の仕事の報酬だった。
両親の離婚後、ジェフは母の故郷マニトバ州ウィンクラーへ引っ越した。
ウィンクラーでは以前よりも孤立した。
高校卒業後、地元のバーで働き始めると、すぐにロードクルーの仕事を見つけてウィンクラーを去った。
数年後、ライブの喧嘩に巻き込まれて負傷したジェフは、視力を一部失う可能性があると医師に宣告される。
アートスクールに戻ったジェフは油絵とデジタルアートを選んだ。
後者のインターンシップを紹介されたジェフは、小さなビール醸造所のラベルデザインを巡り会う。
ビールを醸造し、救助犬を受け入れ、タトゥーのデザインと好きなバンドのアルバムジャケットのデザインをした。
父が亡くなった連絡が入ると、オーモンドにある遺品を取りに戻った。
家にあったビンテージモデルのギターケースには「息子へ」と書かれたノートが入っていた。
ジェフは壁画を描いたロッジを思い出し、12本入りのビールを買ってロッジへ向かった。
ジェフから何週間も連絡が無く、同僚はジェフが悲しみに打ちひしがれたと考えた。
隣人は犬の世話に飽き飽きしていた。
犬は日毎に興奮するようになった。
犬は再び野良犬となり、ジェフの残したモルトの残り香を探して道を外れた。
シェリル・メイソン
ゲーム「サイレントヒル3」の主人公。
シェリルは以前はヘザーと呼ばれていた。
父ハリーの死を乗り越え、カルト教団から自身を解放した(サイレントヒル3の話)。
父の死に罪の意識があった。
悪夢が毎晩のようにシェリルを苦しめていた。
良心の呵責から、シェリルは困窮した若者の為の危機介入センターでボランティア活動を行っていた。
3ヶ月の訓練を終え、最初の緊急電話を受け取ると、地面から黒い霧が立ちこめた。
そして女性の声が聞こえた。
「どうしてこの堕落した世界に拘るの?神のみが私達を救ってくださる。あなたも知っている筈」
あの女の訳がない、彼女は死んだ筈だ。
シェリルは突然気持ち悪さに跪く。
熱い胆汁が喉を駆け登り、吐血した。
顔を上げると、寒く絶望に満ちた見知らぬ場所だった。
ジェーン・ロメロ
有名女優ロレッタ・ローレンスの娘。
母は撮影の為に家を留守にしていたので、ジェーンは母の記憶が無い。
売れない視覚芸術家の父に育てられた。
10代の頃、母に張り合おうとしてテレビCMのオーディションを受けた。
父のアトリエの手伝いもした。
高校3年の弁論大会で最優秀賞となり、ラジオ局から仕事を請けた。
大学でコミュニケーション学を学び、卒業後はバラエティー番組の仕事をした。
しかし歯に衣着せぬ物言いとアドリブは上層部から歓迎されず、5ヶ月で首になった。
父は演劇で成功するのは1億人に1人もいないとジェーンの夢を否定した。
祖父は夢を追う勇気ある者はその1人になれると励ました。
祖父が正しい事を示したかった。
地元の食堂でウェイトレスをしていたジェーンは、舞台劇のオーディションに受かった。
友人の脚本家ドゥエインはジェーンをトーク番組の司会に推薦していた。
しかしジェーンは舞台に全力を注いでいると断った。
舞台劇の最終リハーサルで、ジェーンは役を演じきったと思っていた。
監督はアクセントを変えるよう要求した。
「そっちの方が面白いだろう?」「受け狙いだよ」と言われ、ジェーンは怒って「バカなコメディアンでも探して」と舞台を降りた。
4ヶ月後、クイック・トークという落ち目の生放送番組のテコ入れとして、司会者の仕事を請けた。
視聴者の共感を呼ぶ語り口で視聴者数は伸びていった。
2年後、ジェーン・ロメロ・ショーが始まった。
ジェーン・ロメロ・ショーは数々の記録を塗り替えて、イニシャルであるJ.R.は美容クリームからアクセサリまで使われ、ジェーンの代名詞ともなった。
ジェーンが回想録を出版すると、ベストセラーとなった。
しかし批評家には自己啓発で味付けされた悲劇の秘話と評された。
ジェーン自身も成功に疑問を持ち始めていた。
ジェーンの母がジェーンの番組に出るとストレスは限界に達した。
母が「自分達は本当の親子じゃない」と言った瞬間、番組進行も限界に達し、インタビューは大混乱となった。
ジェーンは父の家に車を走らせた。
父と話し合う必要を感じていた。
頭痛薬を飲み、渋滞に巻き込まれ、急に眠くなった。
翌朝、ジェーンの車が水中から引き上げられた。
しかし遺体は発見されなかった。
ジェーンのグッズは売れ行きが急増し、1ヶ月後には全番組の再放送が始まった。
ジョナ・バスケス
ジョナの数学的才能は貧困で見逃されていた。
父はカリフォルニアのフレズノ郊外でマングローブの林を手に入れ、ジョナに教育を与える十分な収入を得た。
16歳の誕生日に「8,25,19,44,1;-20,37,-69,85;13,2,26,11,1」というカードが届いた。
ジョナはチリのとあるGPSの座標と気付いたが、他の数字は分からなかった。
大学卒業後、CIAに入局した。
同じ数字が就業規則に書かれていて、翻弄されていると感じた。
ジョナの仕事は欧州の信号局のメッセージの解読だった。
そのプロジェクトは突然終了となった。
次の仕事は民主制が生まれたクワンタナの反対勢力の妨害と解読だった。
ジョナの解読でアメリカは反対勢力に爆弾を落とした。
しかしそれは囮だった。
相当数の一般人が犠牲となった。
ジョナは休暇を取ったがクワンタナに残って被害規模を調査した。
反対勢力のコンピュータネットワークに潜入し、金を盗んで家や家族を失った人に回した。
ジョナの部屋は銃撃を受けた。
スラム街に逃げ込んで1週間後にアメリカ大使館へ辿り着いた。
CIAの上司は「これで懲りたか?改革運動の感想はどうだ?」と皮肉を言った。
次の仕事は信号局の解読プロジェクトの再開だった。
ホラーポッドキャストに含まれる暗号から「生け贄は転生」というメッセージが見つかった。
ジョナは大半は囮だと考えた。
吸血鬼の話を解読すると「8,25,19,44,1;-20,37,-69,85;13,2,26,11,1」という数列になり、背筋に冷たい物を感じた。
その座標はチリの墓地で、CIAのデータベースで未解決事件が1件だけあった。
その死体は数百の鴉に啄まれて見つかった。ジョナはチリ行きの航空券を手配した。
「-20,36,-69,85」に辿り着いた。
そこは砂と骨しかないゴーストタウンの墓地だった。
古い廃墟を見て、数列が他の文化で何を意味をするか試した。
古代エジプトの測定法、ペルシャの通貨、旧暦……。
タニリアン歴(指輪物語に登場する架空の暦法)で日にちを数字にし、最初の半分をグレゴリオ暦に変換すると、自分の誕生日だと気付いて驚愕した。
残りの数字は今日の日付だった。
黒い霧が渦巻いてジョナに迫っていた。
ジル・バレンタイン
ゲーム「バイオハザード」「バイオハザード3」の主人公の1人。
ジルはラクーンシティ警察の特殊部隊STARSのエージェントだった。
バイオハザードから生き残り、ラクーンシティでネメシスに追われている最中、逃げ込んだ地下室で黒い霧に包まれ、儀式に召喚された。
スティーブ・ハリントン
Netflixのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の主人公。
スティーブは、弟分のダスティンが飼っていたデモゴルゴンのダルタニャンを探す手伝いをしていた。
ある夜、スティーブはナンシーから助けを求める連絡を受け、ホーキンス研究所へ向かった。
研究所で見つかったのは彼女のノートのみだった。
スティーブが気付くと、地面が口を開いて黒い霧の渦が立ち込めていた。
セーブル・ウォード
セーブルは自分を養子と思っていた。
底抜けに元気な母と陽気で単細胞な父との間に自分が生まれる筈がないと。
グリーンビルで唯一の理解者はミカエラだった。
ミカエラは始めて出来た友人だった。
ミカエラは物事のダークサイドに興味はあったが、関わろうとはしなかった。
セーブルはダークサイドとの関わりが楽しかった。
セーブルはミカエラの紹介でムーンストーンで働き始めた。
そこは町で唯一、セーブルを雇ってくれる店だった。
セーブルは屋根裏でラジオ番組の短波放送を行っていた。
超自然現象や都市伝説を扱う番組だった。
町で唯一の古い映画館についてミカエラと激論を交わす事もあった。
セーブルは番組のネタ探しとして、町の墓地を散歩した。
その墓地には町を築いた移住者達が眠っていた。
不可解な出来事は、その歴史に関わっていると考えるようになった。
リスナーの電話で、町は亀裂の上に築かれ、その亀裂は複数の世界が交錯する場所だと語った。
別のリスナーによると亀裂は古代の悪魔信仰集団が作ったらしい。
あるリスナーは亀裂はアンノウンという生き物で、その姿を思い浮かべる者を飲みこむと語った。
ハロウィンフェスティバルで、セーブルはミカエラに皆を怖がらせるアンノウンの話をするよう嗾けた。
しかしミカエラは既に別の話を用意していると笑い飛ばした。
ミカエラはステージでパフォーマンス中、黒い霧に撒かれて消えた。
セーブルは自分がミカエラを破滅に追いやった気がしてならなかった。
セーブルはグリーンビルの失踪事件を調べ、殆どの失踪事件は映画館の付近で起きていると気付いた。
その映画館は1920年代に全焼した古い校舎があった場所に建てられていた。
その生徒達は何故か学校から出られず、火事の犠牲となったらしい。
また、イライアスとエランという兄弟が失踪した事件を突き止めた。
彼らの妹エレンはそれを目撃していたが、自分で両目を抉り取って、施設に送られていた。
セーブルは遠い親戚のふりをしてエレンに面会した。
エレンは映画館のスクリーンの後ろにある倉庫から古い映画のポスターを盗もうとしたと打ち明けた。
また地下には秘密の扉があり、それが別の場所に続いていると教えた。
セーブルは映画館のスクリーンの後ろの扉を見つけ、バールを使って扉をこじ開けた。
階段を降りて地下室に入ると、80年前の映画のポスターが置かれてあった。
その後ろに分厚い木の扉を見つけた。
その扉を開けると螺旋階段が暗闇へ降りていた。
その階段を降りて10分程経つと、黒い霧が立ち上がっているのに気付いた。
セーブルは階段を駆け登ろうと思った。
その時、殺人鬼が住む終わりの無い場所が頭に浮かび、考え直した。
親友にそれを独り占めにさせる訳にはいかないと。
タップ刑事
タップは連続殺人鬼ジグソウ事件を捜査していた。
廃棄されたマネキン工場でジグソウを捕らえたが、仮面を剥がす際にタップは喉を切り裂かれて逃がしてしまう。
相棒のスティーブン・シンはショットガンの罠で死亡。
規則を破る捜査だった為、タップは警察を首になった。
その後タップは自力で捜査を続けた。
被害者の遺体から、ジグソウの正体がローレンス・ゴードン医師だと突き止めていた。
ゴードンは工業ビルに逃げ込み、そこでタップは銃で胸を撃たれて死ぬが、タップが気付くと森の中の儀式に召喚されていた。
タリータ・リーラ
タリータが10代の頃、叔父のカイトファイトで弟との口論を解決する事を覚えた。
凧揚げ動画をウェブに投稿して、叔父のイナシオのカイトショップを宣伝した。
その動画でタリータは有名になり、モデルの仕事も入った。
タリータが高校を卒業する頃にはモデルの仕事が忙しくなり、カイトショップの手伝いはしなくなった。
有名になったタリータは、好奇の目で見られる事にうんざりし始めていた。
タリータは情熱を共有できる人との繋がりに飢えていた。
タリータはモデルの仕事を辞めて、自分の金でファンカイト・リオを開店した。
タリータが主宰するトーナメント大会は、数百人の参加者が集まった。
その夜、空を見上げると奇妙なドローンが浮かんでいた。
そのドローンを凧糸で落とそうと、レナートと競争を始めた。
タリータが落としたドローンは森に消えた。
タリータはドローンを探す気がしなかったが、レナートが森に入ったのを見てタリータも後を追った。
森に入ると血塗れの男が現われ、2人の目の前で真っ二つに引き裂かれた。
その後から、ハイテク装備の女が姿を現わした。
タリータはレナートの手を掴んで、老朽化した工場へ逃げた。
ハンターは唯一の出口を柱を倒して塞いだ。
タリータが周囲を見渡すと、壁が消えてビーチの風景が見えた。
タリータはレナートと砂浜に向かって走った。
舞い上がった砂は黒い霧になっていた。
デビッド・キング
デビッドはマンチェスターの裕福な家庭で産まれた。
スポーツ、学問共に非凡な才能を顕わした。
身体能力を活かすラグビーの道に進んだが、喧嘩っぱやい性格で審判に襲いかかってリーグから追放された。
しかし裕福な家庭なので、デビッドは他の楽しみを見つける事にした。
それはパブで酒を飲み、試合を観戦し、喧嘩を売る事だった。
借金取りや格闘クラブで戦う仕事もしていた。
父はデビッドが口答えすると、母のせいして殴って虐待していた。
デビッドは父に積年の恨みを込めて殴り続けた。
父はデビッドを勘当した。
デビッドはある日、パブに現われなくなった。
数少ない友人は、デビッドは自分より強い相手に喧嘩を売ってしまったと考えた。
それはある意味正しかった。
トレバー・ベルモンド
1476年ルーマニアの田舎で怪物達が徘徊して人々を脅かしていた。
村人達はトレバー・ベルモンドに助けを求めた。
トレバーは退魔の鞭ヴァンパイアキラーでドラキュラ伯爵を倒した。
トレバーは丘の上の小さな家に引き籠もった。
それから数年後、アンデッドの悪夢に苛まれるようになった。
近くの村で失踪事件が起きていた。
トレバーが調査を続ける内に、黒い霧の噂を聞いた。
この邪悪な存在は別物だと疑い始めた。
トレバーの背筋が寒くなった。
急いで自宅に戻ると村はもぬけの殻だった。
地面に黒い霧が渦巻いていた。
鞭に手を伸ばすと、それは無くなっていた。
トレバーは暗闇に包まれた恐ろしい次元にいた。
ドワイト・フェアフィールド
オタクとして高校時代を過ごした。
クールな人気者になりたかったが、サッカー部は退部、バスケ部では見向きもされなかった。
ドワイトが勤める企業の上司は、森の中で密造酒を飲ませた。
ドワイトは意識を失った。
目覚めても最初の一口を飲んだ事しか覚えてなかった。
同僚達はドワイトを森に置き去りにした。
ドワイトの消息はそれきりだった。
ナンシー・ウィラー
Netflixのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の主人公。
ジャーナリストのナンシーは、親友のバーバラが行方不明になり、事件の真相を暴こうとした。
手掛かりを追っていた夜、ホーキンス研究所に近づいて意識を失った。
霧がかかった土地で目覚めた彼女は、聞き覚えのある叫び声を聞いた。
ニコラス・ケイジ
ケイジは100を超える映画に出演してきた。
数多くの賞を受賞し、興行収入は何十億ドルもあった。
ケイジは最後に手にした脚本「彼方への降下」の世界にのめり込んだ。
彼の脳裏に薄暗い大神殿に跪く自分の姿が浮かび、祭壇に血で古代のシンボルを描くと、壁が輝き、開かれた。
彼は太平洋へ向かうプライベートジェットに乗った。
エージェントは彼方の降下のスポンサーは疑わしい投資家だと警告した。
彼は無料でも映画に出演するつもりだったが、エージェントに説得されて、それは止めた。
ジェット機から岩だらけの島に降りると、見た事のないロゴが付いた研究テントが並んでいた。
武装した警備員に連れられて監督のポーリン・スタンパーと会った。
ポーリンは政府の職員のようにお堅い感じの白髪の女性だった。
ポーリンの運転する車で撮影場所へ向かうと、古代寺院の崩れかけた遺跡がある不気味な洞窟だった。
それは正にケイジが想像した通りの場所だった。
ケイジはすぐに撮影を始めようとした。
ポーリンは撮影は翌朝から始まると伝えたが、ケイジは聞く耳を持たなかった。
彼が台詞の呪文を口にして、赤いインクを指に付けて祭壇にシンボルを描くと、寺院の壁が輝いた。
彼は特殊効果は後から加えられると思っていた。
シンボルに触れると黒い霧が立ち上り、彼の腕に巻き付いた。
これは悪ふざけに違いないとポーリンや撮影クルーを探した。
しかし黒い霧だけが彼の周りを覆っていた。
ネア・カールソン
スウェーデンのヒョーの小さな町で育った。
アメリカに引っ越す事になると両親に反発したものの、慣れ親しんだ生活から離れた。
ネアは公園でグラフィティタグ「Mashtyx」の落書きをする日々を送るようになった。
政府ビルに落書きして、警察や他の危険から逃げ続け、両親はネアが数日も家を空ける生活に慣れきった。
ある新月の夜、廃病院グロータス・ブレン・アサイラムに落書きをするよう仲間から嗾けられた。
その後、ネアを見た者はいない。
ハディ・カウル
ハディが10歳の頃、両親と一緒に自動車事故に遭って、両親は死んだ。
パーティに参加していたハディは急に体調が悪くなり、両親がハディを連れて帰宅する途上だった。
意識不明のハディが目覚めた次の日の朝、髪の一部が白くなっていて、見えない物が見えるようになっていた。
ハディはこの次元に流れ込む別の次元を「破壊」と呼んだ。
長じたハディは両親のルーツを知る為にインド旅行をしたかった。
兄のジョーダンは心霊スポットを記録するウェブ番組製作で旅費を工面するよう助言した。
その番組は大ヒットとなり、ハディは世界最大級の心霊スポットへ向かった。
廃墟となった町で幼い義兄が見えたものの、それは「破壊」が見せている幻影と気付いた。
「破壊」が現われた事でハディはプロジェクトを中止しようとした。
しかしウェブ番組プロダクションの叔父のステファンは調査を継続させた。
その後、ハディはバックパッカーとしてインドを旅行しつつ心霊スポットを巡った。
アルプス山脈の掩蔽壕(砲撃や爆撃から人や物を守る軍事施設)で、パンジャブ語(インドとパキスタン国境パンジャブ地方の言語)で助けを呼ぶ声を聞いた。
掩蔽壕の中に雪が降るや、事故を起こして大破した自動車が見えた。
その車には両親の死体が乗っていた。
ハディが「あの日、体調が悪くなってごめんなさい」と謝ると、誰かの声が聞こえた。
「そうだ、娘よ……苦しんだのはお前のせいだ」
ハディは雪の中へ引き戻され、気がつくと儀式へ召喚されていた。
ビットリオ・トスカーノ
ビットリオは1343年に、トスカーノ夫妻の三男として産まれた。
15歳で騎士エットーレ・ファブリツィオに弟子入りさせられた。
しかし哲学を学んでいたビットリオは暴力は無能な者が頼るに過ぎないと思い、訓練に力を入れなかった。
怒ったファブリツィオは見習い騎士を嗾けたが、ビットリオは躱すだけだった。
だが見習いが躓いてビットリオの短剣に刺さり、失血死してしまった。
以来、ビットリオは剣を二度と手にしないと誓った。
父はビットリオを叔父のポルトスクーロ公レンゾの下に送り、失われた文明や古代史の研究を学ばせた。
ビットリオは異次元から来た「知識の守護者」がどの時代にもどの文化にも存在すると気付いた。
それら「観察者」は人類を高い次元に導く知識の門番をしていると考えた。
全ての紛争は金と権力への渇望が生むと信じていたビットリオは、門番達の知識で平和や調和を取り戻したいと願った。
ビットリオは叔父を説得して古代遺跡探索を行った。
ハンガリーで古代ローマ時代の青銅の十二面体を見つけた。
小アジアでテオドシウスのオベリスクの下に隠しトンネルを見つけ、アッカドの楔形文字の石版を見つけた。
その石版には世界中に3つの遺物が分けられたと書いてあった。
トロイの遺跡の隠れ部屋に古代の遺物があった。
ロドス島の洞窟から2つ目の遺物が見つかった。
デルフォイのアポロン神殿の地下祭壇で3つ目が見つかった。
祭壇にはクレタ島の地図があり、ミノスの宮殿の上に星が描かれていた。
その宮殿の地下の迷路で3つの遺物を組み合わせた「鍵」を置く場所を見つけた。
鍵を置くと石の壁が割れて隠し金庫が現われた。
金庫の壁にはサンスクリット語のような文字があり、時期尚早に知識を与えて人類を堕落させるカルト教への警告が書かれていた。
そのカルト教は観察者を捕らえ、幽閉したとも書かれていた。
しかし観察者は各地に遺物を隠して世界崩壊を防ぐ秘密の知識を残していた。
更に次元移動の秘密が書かれた古代の学校の石についても書かれていた。
ビットリオはこの石を楽園の石と呼んだ。
金庫から出る際、レンゾは黒蛇を踏んでしまい、蛇はレンゾの足を噛むや消えてしまった。
レンゾは数分で死んだ。
ビットリオはレンゾの遺産、称号を相続した。
1391年にビットリオは探検隊の護衛にグラルディア・コンパニーアのタルホーシュ・コバッチという騎士を雇った。
ビットリオはポルトガルのシントラの地下墓地を見つけたが、そこに入るには護衛を殺す必要があった。
しかしビットリオは他の方法を探すようタルホーシュに命じた。
タルホーシュは命令に背いてビットリオを捕らえ、イタリアに戻って地下室に幽閉した。
そして楽園の石の秘密を教えないとポルトスクーロの住人に拷問を続けると脅した。
しかしタルホーシュはやがて拷問に飽きた。
孤独感に苛まれていたビットリオは、楽園の石に刻まれていたシンボルを色々と床に刻んでみた。
ビットリオの体を囓ろうとしたネズミに驚いて声を上げると、黒い霧が床から立ち上り、気付くと異世界の儀式に召喚されていた。
ビル・オーバーベック
ゲーム「Left 4 dead」の主人公の1人。
ビルはベトナム戦争へ2度従軍し、負傷で名誉除隊した。
数十年、職を転々とした。
病院で手術を受けて目を覚ますと、ゾンビパニックが起きていた(L4D1の話)。
仲間と共にゾンビの群から逃げたものの、最後は自己犠牲で仲間を助けた(L4D2の話)。
しかしビルの死体は見つかっていない(L4D2ではビルの死体が登場する)。
フェリックス・リクター
ドイツのコーブルクでヤノスとアースラとの間に産まれた。
リクター家は地元の医師の間で尊敬される家柄だった。
両親は人道援助の為に殆ど邸宅にいなかった。
しかしこう言った旅行はフェリックスに新しい文化、言語、建築に触れる良い機会となった。
23歳で建築の天才と呼ばれていた。
スイスの建築勲章やドイツ国立設計賞を受賞していた。
しかしフェリックスは自身の成功を運やコネによるものと思っていた。
父は内向的な幼いフェリックスに社交術を身に着けさせようと専門家を雇った。
この努力が無駄と分かると、時期が来たら自分で学ぶだろうと諦めた。
父はフェリックスに古代の秘密の集まりや邪悪な力と戦う集団「インペリアッティ」の物語を語った。
フェリックスはそれを父が誇張している物語と確信していた。
父は毎年夏になると、ダイアー島にフェリックスを連れて行った。
そこではインペリアッティのメンバー同士の人脈作りを行っていた
フェリックスは他のティーンエイジャーに馴染めず、除け者扱いされていた同じような仲間4人と友達になった。
5人は廃墟となった捕虜収容所を探索した。
第一次アヘン戦争の捕虜を被験者として、イギリス東インド会社の非人道的実験の記録が見つかった。
鍵がかかったドアを開けると、人骨と血清が入った薬瓶が見つかった。
薬瓶を開けると奇妙な霧が現われ、巨大な爪が地面から飛び出した。
フェリックスの父や他の親が奇妙な道具やオブジェクトを使って子供達を守った。
全てが終わると両親達はいなくなっていた。
除け者達は事件の手がかりを探した。
しかし辻褄の合う理論は見つからず、手がかりは行き詰まった。
5人は少しずつ疎遠になった。
数年後にフェリックスは建築家になった。
社交術の無さが障害となっていると気づき、話し方や礼儀作法を学んだ。
仕事仲間のローレン・ゴールダーと事務所を設立した。
フェリックスは建築業界を魅了し続けた。
それでも自分が偽物でしかない感覚を振り切れなかった。
ある日、フェリックスは恋人に妊娠を告げられた。
父のように刺激を与えたいと思い、すぐに生活を改めた。
父の古い友人が現代的な建物をダイアー島に建てる依頼をした。
この挑戦は刺激的であると同時に恐怖でもあった。
フェリックスが島を調査中、遺跡の先から自分の名を呼ぶ親しみのある声が聞こえた。
奇妙な霧が父の形になるのが見えた。
父はがっかりしたような表情で背を向けて歩き去った。
フェリックスは胸が張り裂ける思いで後を追った。
フェリックスはその後、見つかっていない。
フェン・ミン
フェンは子供の頃からテレビゲームが好きで数時間、数日もゲームを遊ぶようになると、両親はもっと勉強するようゲームを取り上げた。
フェンは束縛を嫌って家を出た。
ゲーム配信でシャイニング・ライオンというニックネームが付き、eスポーツ大会に招待され、誤解や偏見が無い聖域に辿り着いたと感じた。
しかし行き過ぎた練習と睡眠不足で敗北が続いた。
両親やファンの期待に応えられない苦悩から、街やバーを彷徨い、見覚えの無い場所で目覚める事が多くなった。
ある日、フェンは全く異質な場所で目覚めた。
ミカエラ・リード
ミカエラは16歳で父を亡くした。
友人達に支えられ、失意から立ち直り、ストーリーテリングに興味を持った。
友人達はミカエラの危険な物語、命からがら生き延びる物語を気に入った。
秋はミカエラの好きな季節になった。
毎年ハロウィンでホラー話、怖いゲームを企画して皆をもてなした。
他にも魔術に興味を持った。
祈祷、植物由来の呪文、手相占いの練習をした。
庭でセージ、ヨモギ、ラベンダーを育て、ボディーバターや石鹸、化粧水を手作りした。
それらを売って生計を立てたいと考えていた。
ミカエラはムーンストーンという店でバリスタをして働いていた。
そこで毎週金曜に、朗読を披露した。
ジュリアンという男と同棲していた。
ジュリアンは朗読を録画してインターネットに投稿した。
またエンドレス・ハロウィン・フェスティバルに応募していた。
その運営から決勝戦に招待するメールが届いた。
賞金は手作り製品で生計を立てるのに十分な資金だった。
ミカエラは怖い話の創作を始めた。
次の日の夜から悪夢が始まった。
地下室に放り投げられ、胸に鉄鉤が刺さり、夢から覚める。
自分がチェーンソーで斬殺される夢や、女(メグらしき姿)がキラーから追われている夢を見た。
仕事に集中できなくなり、コーヒーを溢れさせたり、苦すぎたり、間違った客に渡したりした。
ミカエラは自分の寝姿を録画するようジュリアンに頼んだ。
録画を始めるとミカエラは空中に浮かび上がり、叫び始めた。
ジュリアンは救急車を呼ぼうとするも、巨大な蜘蛛の鋏角のような物が風呂場のドアを打ち付ける衝撃音に気を取られた。
物音で目覚めたミカエラは寝室のドアにバリケードを作るよう叫ぶが、急に停電になった。
明かりは1秒で戻り、静けさが漂った。
風呂場のドアには何も傷は無かった。
しかし録画には物音が録音されていた。
翌日の夜は眠れなかった。
仕事が終わって家に戻ってもジュリアンはいなかった。
ミカエラはジュリアンがインターネットに投稿した動画を削除したかった。
ジュリアンは学校にいるかもと思い、家を出た。
車に乗ると誰かに見られている気配を感じた。
翌日になってもジュリアンは見つからなかった。
ミカエラはムーンストーンを休んだ。
その夜はハロウィンフェスティバルがあり、ジュリアンは会場にいるかもしれないと思った。
黒いドレスと魔女の帽子を被ってステージに上がり、観客の中にジュリアンを探したがいなかった。
ミカエラは秋の寒い夜に渦巻く風の話を披露した。
夜明け前に失踪した友人、暗闇の翼に隠れ、忘れ去られた被害者、封印された鼓動する墓、死の影の中にある永遠の夜の話。
ミカエラは夜空を指して言った。
「真に光を超える闇は無い、月の無い今宵さえも、ずっと前に死んだ星で空は輝いている」
ミカエラは観客の前で濃い霧に呑まれた。
その後、ミカエラを見た物はいない。
メグ・トーマス
メグは成績優秀だったが、道を踏み外した。
しかし陸上競技のコーチ、ジェニーがメグの足の速さに気づき、州大会に出るよう頼んだ。
メグは一晩で期待のエースとなった。
他のチームメンバーはメグが優遇されるのを訝しがった。
高校生最後の地区大会で記録を塗り替えた。
大学の奨学金を手に入れたものの、母が病気に臥せってしまい、進学を諦めた。
ある日、森をランニングしていたメグは失踪した。
遺体は見つからなかった。
ララ・クロフト
ゲーム「トゥームレイダー」の主人公。
ララの父は探検家で家を留守にする事が多く、幼い頃から自立した生活に憧れていた。
大学で出会ったサマンサ・ニシムラは、ララに人生を楽しむよう勧めた。
ララは邪馬台国の遺跡探索に、参加した。
ララを探検隊に選んだのはララの師匠のコンラッド・ロスだった。
探検隊の船は嵐で真っ二つになり、座礁した。
探検隊はバラバラに島に漂着した。
ララは島のカルト教団「ソラリ」の追跡から逃れ、サムとマサイアスと合流した。
しかしララが目を覚すと、サムとマサイアスはいなくなっていた。
ララはカルト教団が女王の魂を受け継ぐ「器」を探しており、マサイアスがリーダーと知った。
教団はサムが器だと考えていた。
ララが滝の下の洞窟に辿り着くと、サムが火の上に縛り付けられていた。
教団はサムが器なのか否かを試そうとしていた。
ララは弓を放って松明を持った男を倒したものの、すぐに捕われてしまった。
2人の番人がララを石橋の上に連れて行くと、黒い霧が辺りを包んだ。
その隙にララは血の川に飛び込んだ。
ララの体に何十もの手が伸びて彼女を掴み、川底に引きずり込んだ。
ララが水面から出ようと奮闘していると、新たな悪夢の中にいた。
リー・ユンジン
ユンジンは幼少からドラムやピアノを弾いていた。
10歳で家族が借金を抱え、何もかも没収された。
17歳でマイティーワン・エンターテイメントの無給インターンシップになった。
数年間、いくつかの大ヒットを出したものの、ユンジンの功績にはならなかった。
ユンジンは自身の楽曲に「マグヌム・オプス」というフレーズを入れ、ファンに認知されるようになった。
「NO SPIN」というバンドのプロデューサーとなり、不良っぽさが必要と考え、スター発掘番組でハク・ジウンを新たなメンバーに入れた。
NO SPINは大ヒットとなり、ユンジンはハイファッションに身を包み、豪華なイベントに出るようになった。
2枚目のアルバムの収録中、火災報知器が鳴った。
ビルの外に逃げた人の中にNO SPINのメンバーはジウン以外いなかった。
NO SPINは解散となったが、ユンジンは諦めなかった。
マイティーワン・エンターテイメントには内緒で、ジウンに突然の死や悲しみを歌った曲を作らせた。
その際、ジウンに新たなステージ名「トリックスター」を名乗らせた。
ジウンは伝説の精霊トッケビのように恐れと畏敬の化身となった。
ジウンの曲は世界的ヒットとなった。
世界ツアーと同時期に異様な連続殺人事件が起きた。
ユンジンはツアーの日程と被害者の死亡時刻が一致していると気付いた。
トリックスターに執着するファンの仕業と疑い、トリックスターの警護を強化した。
ソウルに戻ったユンジンは、新曲を作るジウンを見て驚いた。
まるで一晩中、曲を作ってたかのように疲れ切っている様子だった。
ユンジンは曲中の金切り声とスネアのイントロを奇妙に感じた。
1週間後、また1人拷問殺害された。
今回の遺体は目玉が抉られ、ダイヤのカフスボタンが埋められていた。
被害者はSNSに動画を上げていた。
動画には彼氏から貰ったプレゼントに驚いて甲高い声を上げていたが、ユンジンは聞き覚えがあった。
トリックスターの曲を聴いたユンジンは、曲中の金切り声が被害者の声と一致すると気付いて、心臓が止まりそうになった。
収録はSNSの動画が話題になる前で、動画からサンプリングするのは不可能だった。
NO SPINはジウン以外死んだ。
奇妙な殺人事件はツアー日程と同じ。
もしジウンが犯人ならユンジンのキャリアも終わりになる。
ユンジンは不安な気持ちを考えないようにした。
数ヶ月後、マイティーワン・エンターテイメントの経営陣から、トリックスターの曲にクレームが付いた。
経営陣は、暴力がテーマでステージ上でナイフパフォーマンスをするのを良く思ってなかった。
また収益の落ち込みはユンジンに責任があると責められた。
ユンジンはジウンの音楽はニッチすぎて売れないのは認めた。
次のヒット曲の為に3ヶ月の猶予が与えられた。
ジウンは経営陣に腹を立てていたユンジンを味方だと信じた。
そのお披露目ショー本番で、濃い煙が部屋に充満した。
ユンジンは手足が痺れて重くなり、身体が椅子に沈み込んだ。
トリックスターは動けない経営陣を次々に切り刻んだ。
ユンジンは怒りが膨れ上がった。
なぜ自分の直感に従わなかったのか。
黒い霧が地面から湧き上がり、ユンジンは別の場所にいた。
闇の中でスポットライトが当たる。
大勢の歓声が沸き起こる。
「マグヌム・オプス!マグヌム・オプス!」
ユンジンは喜んで闇を受け入れた。
レオン・S・ケネディ
ゲーム「バイオハザード2」の主人公。
ラクーンシティ警察署に配属となった初日にゾンビパニックに巻き込まれた。
ラクーンシティから脱出後、アンブレラ社の閉鎖された研究所に潜入した。
そこで黒い濃霧に包まれた。
レナート・リーラ
レナートは科学者のように振る舞う子どもだった。
そのせいでよく虐めの対象となった。
レナートは姉が大好きだった。
タリータが凧揚げに興味を持つとレナートも姉と同じ事をしたいと思った。
しかしレナートはカイトショップであれこれと指示する姉と口論するようになった。
叔父のイナシオはカイトファイトで決着を着けるように諭した。
レナートはすぐに凧揚げにのめり込んだ。
姉はモデルの仕事でカイトショップに来なくなり、客の子ども達は残念がった。
レナートは普通の学生より2年早く高校を卒業した。
両親は仕事を始める前にボランティアをやるよう勧めた。
レナートが老人ホームでボランティアをすると、人の役に立つ力がある事を実感した。
タリータはモデルの仕事でカイトショップをやる時間が無くなる事に悩んで、レナートに相談した。
レナートはタリータのファンカイト・リオのパートナーになった。
カイトファイトのトーナメント大会は盛況に終わった。
その夜、レナートは頭上のドローンに気付いた。
レナートはタリータと一緒にドローンを凧で落とす競争をし始めた。
しかしレナートは嫌な予感がしてタリータを止めようと思ったが、遅かった。
ドローンは森の中へ落下した。
レナートはドローンを追って森に入った。
タリータはレナートを追って森に入った。
ドローンはすぐに見つかった。
そこに血塗れの男が現われた。
2つの刃が降りかかり、男とレナートの腕を切り裂いた。
そして装備に身を包んだ女がドローンを引き連れて現われた。
タリータはレナートの腕を引っ張って廃工場へ逃げた。
レナートはこの辺りに工場は無い筈と思っていた。
工場内に隠れているとタリータはレナートを立たせ、ビーチに走るよう訴えた。
レナートにはビーチなど見えなかった。
そこにはあるのは暗い霧だけだった。
レベッカ・チェンバース
ゲーム「バイオハザード」に登場。
レベッカは18歳で大学を卒業した神童だった。
S.T.A.R.S.の最少年メンバーとしてブラヴォーチームに配属された。
アークレイ研究所に派遣されたブラヴォーチームは殺人事件を調査した。
廃列車捜索中、アンデッドや突然変異を起こした動物を発見した。
逃げ込んだ先はアンブレラ社の古い施設だった。
ブラヴォーチームのメンバーを探して、レベッカは声を頼りに黒い霧へ入った。
霧の中で背後から威嚇するような足音が聞こえた。
レベッカは銃に手を伸ばしたが、ホルスターは空だった。
低い唸り声と巨大な棍棒が振り下ろされるのを素早く避けた。
暗闇の中の点滅する光に向かって駆け出した。
ローリー・ストロード
映画「ハロウィン」の主人公。
ローリーは典型的な10代の若者で、道ですれ違っても誰の記憶にも残らない少女だった。
宿題はキチンとこなし、友人や学校の先生、家族から好かれていた。
ある夜、ベビーシッターの時間が彼女の人生を永遠に変えた。
友人のリンダが電話のコードで絞殺される音を聞いて、ふざけていると思ったものの、ローリーはその家に向かう。
そこには友人の死体とジュディスの墓石があった。
暗がりからマイケルがローリーを切りつけ、ローリーはかろうじて逃げた。
包丁が空を切る、遠くに悲鳴が響く、物音が心をかき乱す。
しかしローリーは決して諦めない。
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